野焼きでつくったランプが輝く瞬間

 野焼きでつくったランプが輝く瞬間_b0068572_1524485.jpg函館大会では中学校2年生の「縄文の灯火」(指導者 九千房 政光先生)という授業を中心に見せて頂きました。
 この授業は学校の近くでとった土から粘土をつくり、それを野焼きしたものです。つくるものはランプとし、テーマは縄文をイメージして。
 授業は焼き上がった作品にいよいよ明かりを灯す瞬間でした。
 野焼きでつくったランプが輝く瞬間_b0068572_1520241.jpgろうそくに火をつけ、照明を消すと生徒たちから「わあー」とか「おっー」という声があがりました。感動の一瞬です。つくる喜びが伝わってくる瞬間でした。
その後、少し明るくして、互いに鑑賞しあいました。
私も生徒に制作の思いを聞きました。けっこう考えていました。縄文のイメージを自分なりに。
野焼きでつくったランプが輝く瞬間_b0068572_15291690.jpgなるほどなあと話を聞きながらふと私自身もその話から縄文をイメージしたのでした。
火は本当に魅力があります。不思議ですが…。
 ちなみに上の写真は照明がついたときに「勾玉」が浮かびあがるように考えたものでした。一番下はナウマン象のイメージだそうです。
ブログでは子どもの表情をお見せできなのが本当に残念。 野焼きでつくったランプが輝く瞬間_b0068572_15423430.jpg九千房先生と生徒たちの温かい雰囲気と笑顔、それがとてもよかったです。
ちなみに函館東部地区で縄文土器が発掘されたこともこの題材設定の背景になっています。
「先人が、その土地でとった土を使い、生活のための土器をつくる。」というのは 九千房先生の言葉です。
この授業ではアイディアの段階での指導や機能美のこと鑑賞場面の設定の工夫等がされていくと、さらに発展・充実していくように思えました。これは美術の教科性(美術でなければ育てられない力に関する部分です。行事や総合学習では出来ませんよという部分と言ったらいでしょうか。)うーん、人のやったことについては何とでもいえますね。でも地域に根ざしそこだからこそ出来る授業を設定し、それをやりきった姿勢。学ぶことの多い授業でした。若い人に負けてられないなあと思う山崎でした。この授業を見れて本当によかった!ありがとう。
また、研究主題としっかりリンクした授業でした。
 この体験は生徒にとって記憶にとどまる授業に違いない。
Commented by liner-s at 2005-07-30 15:26
いいですねぇ、すごく楽しそうな授業。
明かりが灯る瞬間を想像しながら作る工程は、とても楽しいものだったのだろうなって感じます。
火には人を惹きつける強い力がありますよね。
昔から今に至るまで変わらぬ火の魅力。
昔の人達がその魅力溢れる火をどの様に使っていたのか想像して作るこの授業は本当にすばらしいっす(^^)
Commented by yumemasa at 2005-07-30 15:58
linersさんがコメントしたのはやはり偶然ではない気がします。だって九千房先生の授業では「くらし」に着目していますから。Linersさんのお仕事と似ている気がします。日常でアートを楽しむ感覚。
それにしてもLinersさんのコメントいいですね。生徒にも聞かせてあげたいコメントでした。やっぱ、美術の授業のこと教師以外の方に知って頂くって大事なんだとあらためて思いました。
Commented by salutana at 2005-09-22 22:02
はじめまして、salutanaです。非常に、楽しそうな授業をなさっていて、うらやましいと思いました。私は現在、芸術系の大学に通っていますが、自分が中学生の頃に、このような授業を受けてみたかったと思いました。非常に、魅力的にみえます。現在でもこのような授業があるのを知り、ちょっと本気で感動してしまいました。頑張ってください。
Commented by yumemasa at 2005-09-23 15:40
salutanaさん、ありがとうございます。この授業は若手教師の発案ですが、土をとりにいくところからはじまっています。そこが私はとてもすてきだなと思ったわけです。salutanaさんも美術を楽しんでおられますね。
by yumemasa | 2005-07-30 15:02 | 子どもの表現 | Comments(4)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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