児童が、どう美術作品を鑑賞したか、市民に伝える。

旧夕張市美術館の収蔵作品をもとに、ゆうばり小学校でアートコミュニケーターのみなさんと共におこなった「対話による鑑賞」。
夕張市の複合施設「りすた」で児童が鑑賞した本物の作品とその時に児童の振り返りの言葉と共に展示されています。
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展示されている児童の言葉をここでも紹介します。以下はその一部(5年生)です。

●見ているものは同じなのに、みんなの感じ方が違っていてびっくりしました!

意見を聞いて気づけなかったことが気づけたりしてすごく楽しかったです。


●すごい作品ばかりでとても見るのが楽しかったです。

他の人の意見と自分の意見が違うところもあったけど、同じ意見もありました。

特にすごくいいと思ったのは森の絵です。

近くから見ると山が小さく見えて遠くから見ると大きかったので凄いと思いました。

そしてグループでは昔の夕張みたいなどと言っている人がいました。


●どの作品も見る場所(離れてみたり、近くで見たりする)を変えれば

全然違う感じに見えるんだなぁと思いました。

なかなか発表できなかったけど初めて対話型鑑賞してとてもとても楽しかったです。

また絵を見たいです。


●絵の説明がなかったので、いろいろな視点から見られました。

作者の出身が違うだけで絵のコンセプトが違ってくるので面白かったです。


●僕は絵を見て不思議だな、これは何を描いているんだろう?とすべての作品に思いました。

みんなも僕も途中からどんどん意見が出て、これはどうだろうとアイディアが浮かびました。


●他人の芸術と自分の芸術は違う。だからこそ、自分の思ったことをかけばいいんだと思いました。

人それぞれが考えがあるからこそいろんな作品があるんだなと思いました。

そして僕は自分の考えをそのままにすればいいんだと思いました。

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この展示をしてくれたのは、今回の鑑賞を一緒につくってくれた山口一樹さん(夕張市教育委員会)です。彼がいたからこそ、この鑑賞が実現しました。この取り組みは、学校のおいての鑑賞と地域の持つ文化資源が何をもたらすのかを伝えるものにもなっています。山口さんから刺激を受け、私もこのブログで、児童の学びについて触れたいと思います。

さて、ここでアートコミュニケーターの人の感想も一部紹介します。

○今回の会を通して、鑑賞体験だけでなく、地域を誇りに思うきっかけ作りの手伝いができたことは嬉しいです。さらに、違う考えでも良いという意見や、自分の思ったことを言えて良かったなど、自己を肯定する感想は、心に沁みました。

○どの児童も「ありがとう」言葉があり、日頃から感謝の気持ちを素直に伝えられるなんて素晴らしいですね。そんな純粋な心に新たな興味や刺激を与えられる対話による鑑賞の可能性をひしひしと感じました。

地域の子どもが様々なヒト・モノ・コトに触れながら学びが広がっています。そしてこの鑑賞の経験が、子どもたちの中に何を生み出したのか、色々な視点で読み取れると思います。
一つは、今言われている「対話的な深い学び」の典型がここにあります。また「多様な価値があるからこそ面白い」と感じているのは、とても大切なことです。「みんな仲良く」「いじめは良くない」「多様な価値を認める」という道徳的な社会的な価値観を与えられる前に、子どもたちは「面白い」と感じているのです。「対話による鑑賞」がもたらすものを単に美術教育の中にとどめておくのはもったいなのです。

鑑賞で獲得した力は、美術の中だけにとどまりません。
子どもたちがこれから生きていくうえで、何かの課題に出会うとします。「これをどう解決しよう?」「このことは、一体どういう意味があるんだろう?」その答えを仲間どうしてああでもない、こうでもない、と言いながら力を合わせて、あるいは折り合いをつけながら解決していくことにつながっていきます。 VUCAの時代です。だからこそこうした体験が必要です。これから先、誰かが、こうだ!と道を示してくれる訳ではありませんから・

美術作品の持っている力と子どもの力を信じて、生まれてきたのがこの鑑賞です。

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by yumemasa | 2022-12-30 16:06 | 鑑賞教育 | Comments(0)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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