保育 秋 製作

Googleで「秋 保育 製作」検索すると以下のような画像が出てきました。大人が想定した(子供向けの)秋のイメージのもと、丁寧に子供に可愛らしいものを作らせることが目的です。製作そのものが目的化しています。

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先生方が色画用紙などで作った壁面飾り(壁面製作)もあります。残念ではありますが、養成校でこのような指導もあります。
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このような実態を踏まえ、誰でも実践可能な方法として北翔大学で以下のような講義(講義名は「幼児と環境)をしています。以下の「幼稚園教育要領解説」をもとに設定しています。

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対話的な学びとなるようにグループの学習としています。ポイントは2つ作ることです。
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グループの活動がはじまって、何枚かの葉っぱを手にした学生がつぶやきました。「綺麗」。私の「葉っぱを集めて並べてみよう」という提案に沿って活動したら、自然を見る目が変わったわけです。この活動の過程で得たそのものの中に学びがあります。
実は、講義の日は、紅葉がまだ不十分で色が浅いと思っていて、次週のほうがよかったかなと思っていたのですが、実際に大学生の作ったものを見て、こんなに色が豊かにあったのだと私自身驚きました。
実際の保育の中で先生が、提案したことによって幼児たちが主体的自ら自然の不思議さ面白さに気がつくような保育であってほしい。それは 最初にあげた季節の製作や壁面装飾では得られないものです。
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大学生の振り返り

Aさん
「グループで活動することで自然にコミュニケーションが生まれて、5領域の人間関係や言葉も関わってくると感じました。いろんな色や形、大きさの落ち葉があって集めるのも形をつくるのも楽しかったです。初めは落ちてる葉っぱをなんとなく集めてたけど、だんだんこの形がいいとかこの色がいいってなって木からちぎったり探しにいったりする感じがいいなと思ったし少し懐かしく思いました。他のグループの作品をみることで、自分たちとは違う発想の作品がたくさんあって新しい発見や考えに繋がると感じました。水たまりにつくったり木の上につくったり、その場の環境をいかした作品があって、そもそもの場所を変えることで別の考えが生まれて今日の場所ではできなかった作品をつくることができるのではないかと考えました。また、その場で交流したり写真を撮って作品をのこすことも大切だと思いました。」

Bさん
「①何を作るか決めていなかったが、とりあえずみんなで葉っぱを並べてみた。そうしている間にお花みたいにするといいんじゃない?とアイデアが出てきて、一枚目の作品が自然と出来ていた。自分たちのグループはとりあえずやってみて、自然と出来た作品でしたが、良いものが出来た。ここはこうしたらいいんじゃない?などコミュニケーションを取りながらできたと思う。そのように自然とやっているうちにアイデアが出てくるのは良いことだと感じた。
②他のグループの作品をみて、水たまりに浮かべて作ったり、木に作ったりしていて、自分にはなかったアイデアがたくさんあってとても面白かった!水たまりに浮かべて作っていた作品が、その水たまりに雲が写っていて素敵だった。子どもたちが実際にこの活動をやったときも、他のグループから刺激を受け、自分の作品に活かせると思った。
③教育要領にもある通り、幼児がこの活動をすることで身の回りの自然に触れ、それらを取り入れて遊ぶ楽しさを感じられると思った。また葉っぱ・落ち葉を使うことで、季節の変化に気づくこともできるとわかった。領域環境の他にも人間関係や表現、他にもたくさんのことが育つと思う。実際にグループでやってみて、ここはこうしたらいいんじゃない?などコミュニケーションが取れたり、思考力や想像力もつくと感じた。また、なんで同じ木なのに葉っぱによって色が違うんだろう?など自然の不思議にも気づけるような活動だと感じた。先生が言っていたねらいにそった言葉かけをできるようになりたい。」

Cさん
「グループで落ち葉を集めてる時、最初具体的に何かを作るという目標がなかったが、集まった落ち葉の形や色を見て想像力を働かせ各々の発想を上手く組み込み一つの題材が決まった後の行動力がすごかった。「こうしたらいいかも」「それいいじゃん」とお互いのアイデアを尊重しながら協力すれば短時間でもいいものが出来上がるのだなと強く感じた。
他のグループを見てて感じたが、他のグループの工夫を取り入れあったりして(水たまりを活用したり、風が強かったためガレージの陰で並べたりなど)自分たちだけでは思いつかない他のアイデアを取り入れながらみんながブラシュアップしあう環境が良かった。
今日の活動は保育要領のとおり、落ち葉の感触や色の違いを直接感じ取れたり風の冷たさなど季節による変化を遊びの中で学べる企画だったのと同時に私は人間関係も育める活動だと感じた。5領域は互いに作用しあう事は知っていたが顕著であったと思う。前述のとおりみんなで協力し合いながらひとつの事に取り組めば大きな事を成し得ることができるが、私たちはある程度大人なためできて当たり前ではある。幼児の場合お互いのアイデアを全部組み込んで面白いと思いながら活動を行えればそれも成長や経験につながり良いが、自分の思いを貫きたい子も出てくると思う。その時に協力し合うことや、尊重することなどの社会性を学ぶきっかけになると考えた。そしてそこにどのように保育者が関われば良いのかも考える機会になる良い課題を設置していただけるなと感じた。」

(山崎 後記)
この記事のタイトル「保育 秋 製作」は、ネットで検索されることを期待してつけたものです。たくさんの時間をかけて下準備して幼児に大人が勝手に設定したイメージをもとに製作させたり、「壁面飾り」のために、膨大な仕事の時間を奪われたりしなくてすんでほしいからです。何より幼児のために。
(メルカリで売られている壁面飾りの色画用紙切り抜きパーツを買えば楽ですが、誰のお金で?あるいは自宅に持ち帰って作ったり。園長先生は知っているのかなあ?)


by yumemasa | 2023-10-28 19:46 | Comments(0)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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