乳幼児の「お絵かき?」

下の写真は、1歳6ヶ月の子の写真です。「あ〜楽しそうに、お絵描きしてますね」と言った途端に見えなくなるものもあります。子供の様子を外から見て、大人の価値基準で「お絵描きしている」と意味付けし、「上手だね」と言っていると子どこの中に起きて成長が見えなくなります。あー、もったいない!
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現在、月に2度ほど、こども園に造形の設定保育に行っています。3,4,5歳児クラスは4月から0,1,2歳児は9月から。造形という視点からも子どもの成長を実感できます。
さて、写真は0歳児クラスの9月の様子。フェルトペンとの初めての出会い。手に持ったペンが紙に触れると、その痕跡が残るという因果関係がわかるような子が多く、「描く」というイメージがない子がほとんどでした。中には、ペンに触れただけで泣き出す子もいます。
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↑触っていうちに、紙の上に跡が残るということを認識したようです。
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↑ペンを持っているうちに、(別の理由で)泣き出してしまい、活動はおしまい。
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↑描くということが、わかっています。長いストロークで描いています。というか、腕を動かすと跡が残る。業界では「なぐりがき(スクリブル)」と言ったりします。
さて、そんな子たちが、半年も経つと、大きく変わってきています。それは、子供自身が自分の世界を広げてきたことを意味します。以下に上の写真の5ヶ月後の様子を紹介します。
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↑キャップを自分の力で開けることができるようになっていますし、紙とペンを持っていくと、その意味が、わかりニコニコしてくれます。

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↑ペンで描くという意味がわかっています。9月には1本ずつ手渡していたペンも、今回は思い切って箱ごと渡しました。さっとキャップを開けると全員「なぐりがき(スクリブル)」を始めました。9月から見るとすごい違いです。
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でも、よく見ると、線ではなく点を打っています。座る座席によって活動に違いが出てきたりします。なお、サクラのペン(ふとふとマーカー)を選んだのは、安全性、持ちやすさ、発色、耐久性などからです。点を強く打っても描けなくなるようなこともありません。打つとインクが飛び散る面白さがあります。打つとトントン音がします。
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↑この子は1歳半を過ぎています。色にも興味を持っています。しかし、どちらかというと、ペン構造などに興味を持っています。ずっと笑顔で、色々試しています。探究心の芽生えです。こういう場合は造形の視点というより科学の視点でとらえることになるでしょう。
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↑この子は、一人になってもずっと描いていました。その子によって、その日によって描く時間が違ってきますが、この子の持続力には驚きました。こうして、丁寧に子供を見ていくと、その子の興味・関心、学びの内容、発揮している力など、かなりの違いが見て取れます。そうすることで、本来の望ましい保育が行えると思います。
ですから「大人の価値観」で意味付けしてフィルターをかけるよりは、先入観なく子供を捉えることで、様々な子どものよさが見えてきます。それは、とても面白いです!
それは中学生も同じです。

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0、1、2歳児の絵の具遊び

《関連サイト》

0・1・2歳児のアート活動って?(そうだったのか!子どもの造形表現)

by yumemasa | 2024-03-07 23:35 | Comments(0)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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