義務教育最後の美術は「卒業制作」

今年、時間講師として中学校に行きました。今年1年間だけ、というか、35時間だけの関わりでしたが、卒業制作「自分の存在証明」に取り組みました。諸事情で、実際の制作時間は8時間。あまりの短さに申し訳ないですが、それでも、生徒たちは一生懸命取り組んでいて、手応えを感じました。生徒が教師の提案した題材にやるべき価値を感じたら、やはり主体的に取り組むと実感しました。
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作品展では以下の文章を掲示しました。

卒業制作「自分の存在証明」

一人一人は、とてもとても大切な存在です。自分と同じ人は過去にも、未来にも、世界中のどこにもいません、奇跡のような存在です。卒業制作は、そんなみんなへの投げかけからスタートしました。

鑑賞するにあたって、筆の跡、手を動かした跡、その順序などにも着目していただけたらと思います。つくった人が、心や頭を働かせて、たくさんの選択や葛藤を経て、この作品をこの世に生み出してきたことが、わかると思います。尊いことです。この制作過程にこそ、価値があります。

Aiの時代と言われるようになりました。不安でもあり、希望でもあります。そんな中、ますます大切になっていくのが、想像力や創造力、そして感性とも言われています。

一人一人がよりよい未来をつくりあげていくと願っています。ご卒業おめでとうございます。


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卒業制作の時間、最初は、中には何人かの生徒は自分のやるべきことが見つからないようで戸惑っている子もいましたが、私は、悩む時間も大切にするように伝えていました。周りも楽しそうにそれぞれが自分のやりたいこと見つけて、やってますし、やると信じていました。その結果、出来上がったのがこれらの作品です。中には作った作品に納得せずにやり直した子、2点作った子もいます。例えば、上の右端の上下の2点は同じ生徒が作ったものです。自分の違う面を出しています(自分の中にも多様な考えがある)真ん中下の黒地に白いのイラストを描いている子は、1点目より、もっと良いアイディアが思いついたと言って、一気にかき上げたものです。左端の2点は、同じ生徒が2点描いたものです。
どの作品を見ても、描いた生徒の様子が浮かんできます。意欲的に自分なりに大切なものを自らの手で生み出す実に頼もしい若者の姿でした。一番見て欲しいのは授業中の生の姿です。担任の先生が、授業を見にきたりして、その様子を不登校や別室登校の子にも伝えてくれた、作品だけ参加なんて子もいました。担任と共に喜び合えたことです。

実は、これまでの この3年生の学習内容からすると、卒業制作は厳しかなとも思いましたが、生徒は自分からやりたいと思ったら力を発揮するということは長年の経験からわかっていたので、信じることにしたのです。その通りでした。

ただし、「存在証明まではいかないけど、今、これを描きたい、そう強く思ったら、それも良いです」という一言はそえました。そう言っていたので、愛犬「チロ」を描いている生徒の思いを聞いて心動かされました。
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by yumemasa | 2024-03-23 20:10 | Comments(0)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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