ここに紹介するのはJDMA提案によるデザインの授業「あなたの街の災害避難所で役立つ道具」です。全5時間のうちの4時間目です。提案する具体的な道具のプレゼン最終準備の様子です。
↑JDMAの資料。概ねこの形で進めています。今回は全5時間でやっているので、上の5から6の複数案の検討が厳しかったのですが、生徒たちは、限られた時間で精力的に取り組んでいます。
↑プレゼン用の模型を作っているところ。これを作る動機は、実際に避難所で被災した経験から。ここに至るまで、現実のものにするために、どのような技術があって、それをどう組み合わせて使うか検討を重ねてきました。この姿を見ているとデザイン思考を核としたSTEAM授業のようです。↑このグループは避難所で使う枕やクッションの提案です。実際に様々な材料を使って試しています。美術室にもさまざまな材料用具がありますが、必要に応じて、材料を持参したり、他教科の備品を使ったりしています。目的達成のためにさまざまな知識をつなげて使っています。こうしたことを想定して中学校2年生以上での取り組みとしています。
↑このグループはぬるま湯を作るために、摩擦を利用することを考えましたが、技術面で課題が多く、実現できるかどうか。ここで、私は一瞬「無理では?」と思いましたが、これは可能性を阻害するのではと思い、踏みとどまりました。答えを出すのは彼ら自身です。可能性を含めたプレゼンになるでしょう。↑右の3人は、プライベートな場を作ることについて提案しています。模型を作って確かめています。コストも考えていました。実際に操作しながら、考えています。あまりにも時間が短いのでプロトタイピングとまではいきませんが。プレゼン準備の教室の様子は、一人一人がフルにその力を発揮しています。自分たちの知恵で、課題を解決しよとしています。
これらの授業は、自らの手で人のためになる新たな価値を創造する体験です。中学校美術がハブとなって。STEAMでもあります。
この授業を参観された安平町の地域おこし協力隊員の方が、生徒の意欲や発想の豊かさに感激していました。彼は「生徒の皆さんが、与えられた課題ではなく、自分の課題になっていますね!」って話してくれました。彼は安平町の公営塾「あびらぼ」のスタッフです。
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