08年の北海道造形教育研究大会に向けて
2005年 09月 06日
いよいよ、どんな研究会にするかの具体的な話しあいがはじまりました。
試案を出させていただきました。
これまでの様々な研究会を振り返り、「毎年こうしているから〜」ではなく、もう一度「研究会をなぜ、何のためにするのか」といったことも深く考えての研究会にしたいと思っています。
研究会では「美術教育の存在理由を示す」内容であることはもちろんですが、研究会のあり方そのものを提案する研究会にしたいと思います。今日の話し合いを参考に思いつくままメモしておこうと思います。これをもとに、また考えていきたいと思います。
なお、以下に書いてあることはまだ山崎の試案であることをご留意ください。
1、研究主題はごくありきたりだが、しかし今もっとも真剣に考えるべきもの、つまり美術という教科は子どもたちのためにどんな力や心を育んでいくのかを明確に出す。
基本的には95年の「豊かな心と確かな力を育む造形学習を」というものを継続・発展させていく。
本気の研究で授業に生きる。教師が変われば生徒も変わる。したがって特別しかけの大きな授業ではなく、一見ありきたりだが、深く考えれているそんな感じの授業にしたい。授業を参観された方が、「確かにすごいけど、これはまねできない」という授業ではなく、「これなら出来そうだ」という授業を提案したい。
2、参加する側のニーズに応えたい。
授業は参観するけれど、分科会には参加しない、そんな傾向も残念ながらある。なぜか、そこにもメスを入れたい。分科会のあり方そのものも検討したい。
参加者が「参加してよかった」そんな分科会を目指したい。これまでの様々な分科会のことを分析したうえでの内容にしたい。
美術や図工の指導で困っている人や勉強したいと思っている人に応える内容にしたい。美術の指導に熱心に取り組んでいる方々の英知を結集し、そんな要望に応えることができたなら、どんなにすばらしいことか。参加する側の対場に立った内容にしたい。いや、これはもしかしたら美術教育研究団体がもっとも力を入れるべき課題かもしれない。
また、今後の美術教育はどうあるべきかという提案もまた重要である。ここもニーズがあるはずだ。北海道大会ではあるが意気込みとしては「全国大会」。ならば、これまでの美術教育の歴史を振り返り、未来を問うそんな視点に立ちたい。当然、講演会の力も借りることになりそう。石狩のスタッフだけで出来ないこともあるから、そのときは他からも力を借りていく。
3、ローコストで教師の負担の少ない大会にしたい。
「研究紀要」にまずメスを入れる。印刷は学校で。製本と帳合は業者に。おまけに校正の手間も減る。業者との打ち合わせも激減するはず。
「研究のまとめ」は出さない。研究成果はすべてWEBで公開。これだと、できたところから随時公開できる。参加できなかった方々にも情報を提供できる。研究の広げるうえでも、有効な手段となるはず。
看板や装飾も簡略に。アトラクションのようなものもしない。ちょっと見栄えは良くないかもしれないが。
4、授業に生きるワークショップをとり入れる。(ネットワーク部会はこの時間帯に)
これは入門的なものと、高度なものと両方が考えられる。しかし、このワークショップにも研究内容を関連させたい。つまり、なんのためのワークショップかという基本にもどる。それは、子どもにどんな力や心を育むことをねらってのものかということを明確にしておくということである。
そしてこの時間帯の北海道のネットワーク部会を設定する。これで、ネットワーク部会のメンバーの方々も授業や分科会に思う存分参加できるようになる。ただしこれらをやるには2日日程となる。ここがネックで論議されることになるだろう。石狩なら2日日程をこなせる体力があるはずだが…。
5、免許外で指導に困っている人や図工の指導に悩んでいる人にも参加を呼びかけたい。
美術の指導が得意な人が集まって、「図工・美術は大事だ!」と叫んでいても現状は大きく変わらない。この研究会を通して様々な人の出会いがあり、そんな出会いがある中で、地域にもどたときに、あの先生に相談してみようなんて感じになったら最高の成果と言えるだろう。
大学の先生、美術館の方や教育に関心のある議員さん、あるいは一般の方々、託児所や子育てサークルの方々にも参加してほしいと思っている(このことは、昨日は話しませんでした。)
6、共同研究を大事にする
授業は授業者が行うが、これはその授業を担当するスタッフの成果になるようにしたい。こうなると授業者への質問は授業者だけではなく、スタッフも答えるということになる。
分科会は提言者・授業者・司会者が研究主題にそってどんなに遅くとも1年前から連絡を取り合えるようにしたい。この三者による共同研究の成果が分科会で発揮されるようにしたい。インターネットの活用も。
7、研究会に美術ならではという色を出したい
研究のプレゼンはもちろん、提言もビジュアルに訴えたものにする。全体会のあいさつにも美術らしさを出せないか?挨拶は極力少なく、短くする。子どものための研究会である。
8、研究会速報
研究会速報はブログで行う。印刷もするが、最小限で。
(07年1月現在で速報は運営の負担減から、やらない方向で考えています。そのかわりネットでの研究のまとめの発信はていねいにやる予定)
9、懇親会
参加費は極力安くする。お酒をたくさん飲むということよりも、安い参加費で気軽に交流できるスタンドパーティーのような形で。お茶と軽食が主であってもよい。飲む人はそのあと、ススキノもあります。
10、授業を提供してくれた子どもたちのために
子どもたちのために励ましやねぎらいの言葉を、参加者からいただく。そうすることで子どもたちも親も喜んでもらえるはず。また、そうすることで学級経営のプラスにもなるはず。
☆しかし、大事な問題が
それは08年の研究大会のときに学習指導要領がどうなっているか、そこが実に微妙な問題である。
新たな学習指導要領が発表される前に、石狩の研究を発表したい。
つまり08年の研究大会であるが、06年中に研究発表をしておく必要があるということになる。
*写真はアルテピアッツァ美唄(安田侃彫刻美術館)の了解を得て公開しています。
ローコストや挨拶を短くというのも経費節約、時間短縮という事でいいですね。その分、子供達の授業発表などに還元て゜きますね。08年の構想ということですが、そこまでに色々な試案が出されるのでしょう。
研究発表をする時の基本を教えて頂いたような気がします。美術だけでなくどの大会、発表でも共通する課題が見えてきました。
ネットワーク部会に出席のため分科会に出られない状況もなくなり、立食の軽食パーティーなら気軽に参加できて交流もしやすい。この立食形式の良さは旭川でも実証済みです(お酒は入っていましたが)。
これらの基本的な考え方は、数年後に開催されるだろう旭川大会においても大いに参考にしたいです。
全国大会のような意気込みでいきたいと思っています。
偉い方は敬意を表するためにていねいに話しておられるので長くなってしまうのでしょう。08年は失礼のないように配慮しながら挨拶は極力短くしていただきたいと思っています。参加者の側に立った大会にしたいです。例年こうしているからということを疑ってみる、無難なことばかり考えていては結局、例年通り。