中学校3年生「人の心を動かす」というテーマで立体作品をつくる授業をしました。作品が完成したら廊下に置いた長机に、置いていきます。

いつの間にか、作品について語り合っていました。表現も鑑賞も主体的です。

立体の制作には5時間。写真撮影で、プラス1時間。下の写真はAPA主催の「全国学校 図工・美術授業作品展」への出品用。応募用紙には本人のコメントを記載することになっていて、このコメントを書くことそのものが自分の作った作品や撮影したことに対する意味生成の場にもなっていくます。


学習指導要領では「主題を生み出す」ことが重視されていますが、そもそも、主題があっての表現です。この題材は「人の心を動かす」ことが前提なので、自動的に主題を持って表現に取り組むことになります。ですから生徒が表現したテーマは実に多様です。だからこそ、表現の技法的なことより、まず、何を表現してるかに目が行きます。一人一人が違う存在だからこそ、面白いということを実感します。
彼らは、2年生の時に「価値あることを絵にしよう」という題材に取り組んでいます。そしてこれから取り組む卒業生制作のテーマは「自分の存在証明」。決まっているのは時間数のみ。主題はもちろん、今度は表現方法も自分で決めます。美術の授業を題材ごとに捉えるのではなく、生涯教育を見据えての3年間の指導計画が大切になってきます。
