「命の形」の作品紹介(その2)
2005年 11月 13日
さて、この授業では常識的に考えるならば「作品のためのアイディアスケッチ」をするところからはじまると思いますが、今回は命について簡単な作文を書く、全員が書いた作文の内容を知る、そして「命」をテーマにして絵を描く(ただし、この絵は石のためのものではない。)ということからはじめました。これらを終えてはじめて「アイディアスケッチ」をしました。(なお、絵にうまく表せないと悩んでいる生徒には粘土で考えてもらいました)
この生徒は絵で命のイメージでいろいろな絵を描いていました。その中に鳥もありました。授業中のアイディアスケッチになったとき、鳥を描いていたのです。しかし、鳥の足を描いていました。私が「それ、石を彫っても折れてしまうよ。」と言って、出てきたのがこの写真の形です。
今回、彼は、授業が楽しみで楽しみで、そのことを担任の先生に話していました。
《生徒の学習のふりかえり》
(作品の解説)
今飛び立とうとしている鳥の像に乗って、一緒に旅立とうとしている。
(この授業を通して感じたことや考えたこと・発見したこと)
命について真剣に考えれた。死にたいと思った時があったら、これをつくったときを思い出せれば元気がでる。
*ちなみに、彼は絵に対しては苦手意識があります。しかし、今回は違いました。「先生、色をつけたいのだけれども」と相談を受けたので色鉛筆を貸してあげました。朝日を描きたかったのです。聞くとこれは、崖なのだそうです。で、私は「やっぱり、こういう場合は、一人じゃなくてカップルがいいんじゃない?ムードあるしさ」。すると、きっぱりと否定。で、しばらくすると、もう一人付け加えた絵を、私に見せてくれました。「ね、変でしょ!」。
上の作文を読んで彼が変だということがわかりました。ついでに照れくさそうに題名をつけたとを教えてくれました。題名は「旅立ちの日」
*彼は私が思ったよりはるかに誠実にこの授業に取り組んでいたのでした。彼の絵のことで、あらためて絵は「表現」するものでもあり、コミュニケーションの手段として優れているなと思いました。今回は彼からずいぶん教えられた気がします。
☆「命の形」の作品紹介(その1)