美術教育研究団体がやるべきことのひとつ…研究成果を「広げる」
2005年 12月 27日
この絵は小学校1年生が入学してまもなく描いた絵です。題名は「おいしかったよ。ココアパン」
下のは「楽しかった運動会」玉入れの絵です。
この絵は、あるお母さんからブログで公開する事を前提に提供していただいたものです。原画は八切り画用紙に描かれています。
これらの絵は担任の先生が学年が終わったときにきちんと製本してくれています。子どもの絵を大事にしてくれています。(これは素晴らしい事だと思います)そのお母さんは担任の先生のことを熱心なよい先生だとは言っているのですが…
しかし、この絵には大きな問題点があったのです。入学してはじめて描いたこの絵。娘さんが絵を描くのが嫌と言いだしたのだそうです。
理由は、絵を描く順番が全て決められていたこと。(家で楽しく絵を描くお子さんだそうです。)ココアパンを先に描いて、次は指を描いて、目を描いて、口を描いてというように。娘は「どうして?」という感じだたそうで、図工の時間がいやになったとのことでした。
これは 指導法としては酒井式をもとにしています。(酒井式モドキ?)さらにクレヨンで色を塗りつぶしをさせれています。この「作業」は酷です。(この塗りつぶし作業は「酒井式」ではありません。)
さて、そのお母さんに相談を受けたので ネットで「酒井式」で検索してもらうことにしました。「酒井式」というのを知り、驚いていました。
「もはやこれは「表現」ではないですね。子どもの心は無視されている!」と憤りを感じていました。参観日のとき、隣のクラスの絵がまさに、その「酒井式」だったそうです。(学年で打ち合わせたのでしょう。)
右は運動会の「玉入れ」の場面で、構図も描く手順もやはりすべて決められていました。言われた通りに描かせられています。本当は運動会で描きたかった場面があったのだそうです。
お母さんは、さすがに困っていたようで、懇談会のときにそれとなく担任の先生にお話ししたところ、少し考えてくれたようですとのことでした。
なお、左の絵は「キミ子方式」で、2学期に描かされたものです。せっかく製本してくれた子どもの絵、娘さんは見たがらないそうです。なぜ、このようなことがおこるのでしょうか。
児童画のことを全く理解していないからです。子どもの絵は未熟だから、教えるという考え方です。
子どもの絵は大きく、のびのびと、元気よくというイメージが勝手にあるのでしょう。ここを何とかしないといけない。その後そのお母さんからその地域の展覧会で「酒井式」の絵が入賞していたそうです。コンクールの「罪」の部分が出ています。
美術教育の研究団体(もちろん私も含めて)は、やはりこのようなことがおこらないようにしていかなくてはならないと思います。
図工美術の教師は自分たちの研究を深め、追求することに力を入れています。しかしNHK教育テレビが酒井式をよいものだとして取り上げてしまったという現実。教育関係の大手出版社明治図書が酒井式を広めることに大きく貢献し、本屋さんの書棚には多数の出版物が…。「酒井式」を後援する教育委員会もあったり。
これらの現実を前に研究成果を「広げる」ことをしていかなければならないでしょう。
同時に「批判」もしなければなりません。波風が立ちますが…。
今年、他の方に美術教育の研究成果を「広げる」ことを主張していてもだめだと思い、自ら以下のサイトを開設しました。
☆「酒井式描画指導法に対する疑問」(05年10月)
しかし、同時に以下のような取り組みも大事だと考え、ブログを二つ開設。
☆図画工作・美術教育の大切さを訴える(05年10月)
☆「図工・美術教育」 子育て・授業のヒント集(05年8月)
そして、非常にありがたかったことは、賛同してくださる方がたくさんおられたということです。感謝。つながることは大きな力を生み出すと感じています。時々、いただける応援メールや情報提供メールにも感謝しています。
息子が小さいとき、「ここの所はこうしたほうがいいんじゃない?」と子供の描いた絵に線を1本入れたことがありました。その時子供は悲しんで泣き出したのです。ああ、悪いことをしたと思い、小さな子供にとって、絵は技術ではなく、心の表現そのものなのだということを知りました。
大人の勝手で、狭量なイメージに閉じ込めて、子供を傷つけてはならないとつくづく思います。
自由で豊かな美術世界のために、酒井式批判頑張ってください。
ところで、私も昔アマゾンに憧れていたんです。














