「生命の形を作る・中1」(三嶋眞人先生)

 この実践は神奈川県の三嶋眞人先生の実践です。以前から紹介しようと思っていて、のびのびになっていました。(せっかく送っていただいたのに三嶋先生ごめんなさい)
 以前から気になっていた実践でした。ワークシートにあった三嶋先生の文に感動して、妻に見せたら、妻も感動していました。私の授業「命の形」はこれからの影響が大きいのです。
 へー、起き上がりこぼしかあ、おもしろそうだなあ、やってみようかなあ、といってもできる授業かもしれません。制作の条件とか手順とかを説明して…
 しかし、そんな授業ではないことが三嶋先生のワークシートを見ていただければわかります。美術教育30年。重みがあります。深さがあります。
 なぜ、この題材をやるのか、その価値を子どもにもわかるように伝えています。美術の授業で大事なことはたくさん、ありますが、その中でも特に大事なのが「題材観(題材設定の理由)」です。
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三嶋眞人先生「美術の教室」(年2回発刊)のもと編集責任者であり、佐藤忠良氏らが参加した現代美術社の教科書編集にも携わった先生です。ちなみに、この現代美術社の教科書も画期的でした。
 三嶋先生は30年の中学校美術教育を終え、今は養護学校に勤務しています。また地域を結ぶ活動もされています。「新しい絵の会」の事務局でもあります。

 ☆ぼくのパレット(三嶋先生のサイト)
 ↑新聞の連載記事も紹介されています。ぜひ、アクセスを!



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Commented by somethingt at 2006-01-31 00:06
過去の歴史に触れ、そこにある人々の思いに触れ、触れること故の大切さにも触れ… 命という形を「細胞レベル」で捉えさせることで、逆に生命の壮大さと、その神秘さに自然と触れさせるその感覚(言い回し)の素晴らしさに目からウロコです。深いなぁ~…。自分もこういう授業をしてみたいものです。三嶋眞人先生の細やかさと優しさがすごく伝わってきますね。すばらしい!
Commented by yumemasa at 2006-01-31 00:28
岩田さん、深いでしょ。これ。私達の授業の題材設定がどこまで真剣に考えられているか。それは、すなわち、美術教育の各論だとも思うのです。でもここから学べば、自分を高められる気がします。三嶋先生のサイトの内容も深いです。そして情熱を持ち続けること、常に新たなことにチャレンジしていくこと、そんな姿、学ばねばと思います。
Commented by seedsbook at 2006-01-31 16:24 x
命の形。。。を作る時に子供達はどんな様子だったのでしょう。すっと入っていけたのでしょうか?或る程度の方向、またはヒント(?)が提示されていますから、案外スムースに出来たのでしょうか?その辺り興味あります。また、いきなり命の形は?と聞かれたらどんな答えが返るのでしょう?色々な話に広がりますね。
Commented by yumemasa at 2006-01-31 20:22
seedsbookさん、命の形って言われてもさっとできるものではないでしょうね。三嶋さんは、卵や細胞の形を見てみよう、
と性教育に絡めながら命について考えさた授業を願ったのだそうです。
最初はやはりとまどいがあったようですが制作して行く中で、倒れても起き上がる生命力を願って制作するようになったそうです。
この倒れても起き上がるという部分もいいのですね。
 私の授業でも生徒はとまどっていました。「命」についてというテーマで作文を書いてって言いました。無謀です。しかし、けっこういろんなこと書いてきました。それをクラスの中で全員ぶん読んだのです。そして、その感想も書いてもらいました。こうやって新たなことに気がついたり、みんなまじめに考えているんだなあという感覚になったようです。いろいろな見方があってよかったですし、おもしろかったです。この段階をすぎてから、命をイメージに絵を描いてみよう。しかし、これは作品のための絵ではないのです。命について書きながら考えてもらうことを願いました。そのあと、やっと彫刻の話です。
 ただし、三嶋さんは中1、私は中3。
by yumemasa | 2006-01-30 22:37 | Comments(4)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明