審議経過報告を読む(その8)体育・食育・性教育・国語・理数・外国語

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以下の茶色い文字は「審議経過報告」から転載したものです。黒い文字は山崎のコメント。

ウ 健やかな体の育成

(資質・能力の育成)

○ 体育の分野においては、身に付けた身体能力や知識を基に、生涯にわたり運動やスポーツに親しむことができるようにすることが重要である。

○ 運動やスポーツに取り組もうとする意志などの態度、運動やスポーツにおける様々な動きや健康・安全に関すること、ルールや練習方法に関する工夫など、運動やスポーツに関する思考・判断を身に付けることが必要である。

審議経過報告を読む(その8)体育・食育・性教育・国語・理数・外国語_b0068572_114154100.jpg○ 体を動かすことは、身体能力を身に付けるだけではなく、情緒面や知的な発達を促すことにも通じる重要なことである。

○ 保健の分野においては、健康や安全に関する情報を正しく判断し、知識を健康管理のための行動に結び付けるようにすることが重要である。

○ 健康の保持・増進や生活習慣に関する手立てを考え、状況に応じた対処方法や病気の予防手段を探し、医薬品等について知ろうとする心身の健康に関する関心・意欲・態度、環境悪化予防・改善活動に取り組もうとする環境と健康に関する関心・意欲・態度、危険予測・危険回避や自他の安全への配慮など安全に関する関心・意欲・態度を身に付けることが必要である。

○ このような教育を通して、生涯を通じて自らの健康を管理し改善していくこと、運動やスポーツに親しむこと、体力の向上に取り組むことなどが重要である。

(知識・技能の定着)

○ 体育の分野においては、基礎的な身体能力や知識を身に付け、生涯を通じて運動やスポーツに親しむことができるようにすることが重要である。

○ 例えば、瞬間的又は持続的に力を発揮したり、柔軟に体を動かしたり、巧みに体を動かしたりする身体能力、生涯にわたって運動やスポーツに親しむための基礎となる技能、運動やスポーツの意義や動き方・学び方などに関する知識、健康に生活するために必要な体力や安全に運動することに関する知識などを身に付けることが必要である。

○ 保健の分野においては、自他の命や健康を大切にし、生涯を通じてまた親として必要となる健康管理や安全に関する内容を理解することが重要である。

○ 例えば、身体機能や生活習慣、病気の発生要因と症状、喫煙・飲酒・薬物乱用の心身への影響等の心身の健康に関する知識・理解、環境や食品等の衛生的管理などの環境と健康に関する知識・理解、事件・事故等の発生要因や危険予測、避難方法や応急手当などの安全に関する知識・理解を身に付ける必要がある。

(性教育)





○ 学校における性教育については、子どもは社会的責任を十分には取れない存在であり、また、性感染症等を防ぐという観点から、子どもの性行為については適切でないという基本的スタンスに立ち、人間関係の理解やコミュニケーション能力を前提として、心身の機能の発達などの科学的知識、理性により行動を制御する力、自分や他者の尊重の心をはぐくむことなどが重要である。

○ 性教育は、体育・保健体育をはじめとする各教科等の指導の関連を図りながら学校教育活動全体を通じて取り組む必要がある。また、発達の段階を踏まえた指導内容の体系化を図ることが必要である。

○ また、教職員の共通理解を図るとともに、子どもの発達の段階を考慮すること、家庭・地域との連携を推進し保護者や地域の理解を得ること、集団指導の内容と個別指導の内容の区別を明確にすること等が重要である。

(食育)

○ 食育については、食事の重要性、喜びや楽しさ、心身の成長や健康の保持・増進の上で望ましい栄養や食事の摂り方を理解し自己管理していく能力、正しい知識・情報に基づいて食品の品質及び安全性等について自ら判断できる能力、食物を大事にし、食物の生産等にかかわる人々へ感謝する心、食生活のマナーや食事を通じた人間関係形成能力、各地域の産物、食文化や食にかかわる歴史等を理解し、尊重する心などを総合的にはぐくむという観点から、食に関する指導を行うことを「食育」としてとらえ、推進することが必要である。

○ さらに、学校での取組とともに、家庭、地域との連携を推進した取組を行うこと、給食の時間を食育の重要な機会の一つとして積極的に活用すること、関係する教科等における食に関する指導において、学校給食をより積極的に教材として活用すること、栄養教諭や学校栄養職員が関係する教科等における食に関する指導において積極的にかかわっていくことなどが重要である。


2) 国語力、理数教育、外国語教育の改善

○ 義務教育答申では、国語力はすべての教科の基本となるものであり、その充実を図ることが重要であること、科学技術の土台である理数教育の充実が必要であること、グローバル社会に対応し、小学校段階における英語教育を充実する必要があるなどの指摘をしている。

○ ここでは、今回の審議において具体的な手立てを講ずる必要があると考えられる、①基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着、②子どもたちに身に付けさせようとする思考力(感性)・表現力等の育成、③学習意欲の向上や学習の実生活への関連付け、といった課題を軸に各教科等ごとに議論を行い意見を整理している。


ア 国語力の育成

(知識・技能の定着)

○ 国語力の育成には発達の段階に応じた指導が求められる。例えば、幼児期や小学校低中学年期において身体的・情緒的な活動と関連しつつ獲得するという特質があるので、そうした特質にかなう指導が必要である。

○ 小学校段階においては、読むことの力について体験的に身に付けるために、音読や朗読・暗唱が指導上有効であると考えられる。子どもが古典や名作に触れ我が国の言語文化に親しむ機会とすることも重要である。

○ 国語に関する知識を実生活において活用するために必要な技能として、描写、要約、紹介、説明、記録、報告、対話、討論などの基礎的な言語活動を行う力を確実に身に付けさせる指導の充実が望まれる。

○ 漢字の読み書きなどの基礎的な事項についても、その活用を視野に入れながら、反復学習など丁寧な繰り返し指導を通じて定着を図るとともに辞書を日常的に活用する習慣を身に付けることが重要である。

○ 例えば、義務教育修了段階までに常用漢字の大体が読め、そのうち1000字程度の漢字が書けることなど、具体的な指標を設定することも考えられる。

(思考力・表現力等の育成)

○ PISA調査の読解力において低下傾向が見られる。具体的には、文章や資料の解釈、熟考・評価や、論述形式の設問に課題がある。

○ 教育課程実施状況調査についても、全体として正答率は高くなっているが、国語の記述式については低下するなどの課題が見られる。より詳細に分析すると、比較的自由に自分の気持ちを表現する設問については正答率が上昇しているのに対して、文章を深く読んで分析的に理解してその上で記述するという設問では正答率が下がっている。

○ 学力に関する調査結果を受けて、平成17年12月には、文部科学省において、「読解力向上プログラム」が取りまとめられた。このプログラムでは、PISA型「読解力」を向上させるために、①テキストを理解・評価しながら「読む力」を高める取組の充実、②テキストに基づいて自分の考えを「書く力」を高める取組の充実、③様々な文章や資料を読む機会や、自分の意見を述べたり書いたりする機会の充実が求められている。

○ 子どもの社会的自立のために必要な力として、国語力について考えると、「読むこと」と関連付けた形で、「書くこと」を充実していく必要がある。このため、例えば、文章や資料を読んだ上で、A4・1枚(1000字程度)で自分の考えをまとめて表現することができる力を身に付けさせることなどが重要である。

○ 国語科を中核としながら、国語科以外の教科等と連携して、すべての教育活動を通じて、読む力や書く力などを育成していくプロセスを明確にした指導が求められる。例えば、各専門分野での調査研究ができるよう、自分で課題を設定したり課題を追究したりできること、読んだり聞いたりしたことを評価したり応用したりできること、などが考えられる。

○ 都市化や核家族化、情報メディアの発達の中で、子どもが集中力を持って相手の話を聞く機会が乏しくなっていることから、特に小学校低学年において相手の気持ちを理解しながら「聞く力」を育てる指導や、それを生かした「話す力」を育てる指導が重要である。

○ 国語教育は、我が国の文学や言語文化を継承・発展させるという大きな使命がある。文学や言語文化に親しみ、創造したり演じたりするのに必要とされる、読書、鑑賞、詩歌や俳句なども含めた創作や書写などの言語活動ができることが重要である。

(学習意欲・学習習慣)

○ PISA調査によれば、趣味として読書をする子どもが諸外国に比べて少ないとの結果になっているところであるが、上記の力の基礎を育てるためには、幼少期からの読書習慣を確立し、様々な文章や資料を読む機会を充実することが求められる。そのため、朝の読書など読書活動の推進を図るとともに学校図書館の充実を図ることなどが必要である。


イ 理数教育の改善

(知識・技能の定着)

○ 算数・数学については、「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS調査)の中学校数学で前回よりも平均点が低く、教育課程実施状況調査の中学校数学で前々回の同一問題との比較で正答率が低い問題が多い。

○ 算数・数学における数や計算、図形などの基礎的・基本的な知識・技能は、国語力と同様、生活や学習の基盤となるものであることから、具体物を用いた実感的な理解、実生活への活用を考慮に入れつつ、反復学習など丁寧な繰り返し指導により確実に定着させることが必要である。

○ 図形についての直観的な理解については、適切な段階で適切な題材を取り上げる。また、実生活との結び付きが深い統計などについては、指導を充実する必要がある。

○ また、算数・数学においては、内容の理解をより深めるために、問題を解決した後、その過程を振り返ったり、問題を発展させたりすることが大切である。

○ 理科については、TIMSS調査の小学校理科において実体験が裏付けとなっている設問において正答率が低いものが見られる。

○ 我が国の子どもが、自然事象に接する機会が乏しくなっている状況を踏まえて、自然事象についての体験的な理解を重視する必要がある。例えば、幼稚園段階や小学校低学年においては、身近な動植物へのかかわりなどが重要である。

○ 小学校低学年の生活科は、体験的・実感的な理解を重視しており、子どもの自然現象への興味・関心を高めることにつながっているとの意見がある。今後は、中学年以降の理科の学習を視野に入れて、子どもが自然事象について、知的好奇心を高め科学的な認識の基礎を養うことができるよう必要な指導を充実することについて検討する必要がある。

○ 国民の科学に対する関心が低いことを踏まえ、理科教育については生涯にわたって、科学に関心を持ち続けられるようにするという観点から、見直す必要があるのではないかとの意見があった。その際、物理・化学・生物・地学の基礎、とりわけ共通の基礎となる内容の設定を含め、引き続き検討する必要がある。

○ 理科に対する国民的な理解を高めるためには、子どもの知的好奇心を駆り立てる内容、実生活に密着した内容で組み立てることができないか、科学史上の著名な発見や原理などについて理解させることが必要ではないかと考えられる。

○ 理科の内容については、例えば、生命科学などの近年急速に進展した内容を考慮して教育内容を見直す必要があるのではないかとの意見があった。

○ 我が国は北から南まで様々な自然の特性があることから、理科において、地域の特色を生かした取組や生活と密着した取組を一層推進することが重要である。

○ 算数・数学や理科については、教育内容が積み上げ型になっているが、小・中・高等学校を通じての内容面・能力面での系統性を重視する必要がある。その際、学問的な系統性だけでなく、発達や学年の段階に応じた反復(スパイラル)の中で確実に定着させることができるよう教育内容の工夫を行うことが必要である。また、算数・数学と理科相互の内容的な関連性についても考慮する必要がある。

(思考力・表現力等の育成)

○ PISA調査の科学的活用能力、数学的活用能力は国際的に見て上位水準にあるが、数学的活用能力は低下傾向にある。数学、理科のいずれも、解釈を要する設問、自分の考えや根拠を明らかにして論述する設問に課題があるとされている。

○ 現行学習指導要領においても、算数・数学の学習で身に付けた知識・技能を活用することは目標として設定しているが、PISA調査の数学的活用能力の結果に見られるように、身に付けた知識や技能を実生活に活用する力は十分に育っているとはいえない。

○ 算数・数学においては、数量や図形についての豊かな感覚を育て、実感を伴った理解を深めたり、生活へ応用したりできるようにするのが大切である。

○ 算数・数学においては、作業的・体験的な活動を通じて、事象の中に潜む関係を探り規則性を見いだしたり、これを分かりやすく説明したり一般化したりするなどの算数的活動・数学的活動をより一層充実し、数学的な見方、考え方を育成する必要がある。

○ 理科においては、見通しや目的意識を持った観察、実験を通して探究的な活動を一層充実し、科学的な思考力を育成する必要があり、そのための条件整備が重要である。

○ 算数・数学においては、小数や分数の計算の意味、関数や確率について、理科においては、粒子やエネルギーなどの基本的な概念について、実生活と関連付けたり、体験したりして理解することが重要である。また、様々な数量的なデータを分類整理し比較したり、グラフ化したりすること、仮説を立てて実験し評価し改善することなど、実感を伴って理解し、論理的に思考し適切に表現する力を、国語力の育成とも関連させながら確実に育成することが重要である。

(学習意欲・学習習慣)

○ PISA調査では、数学で学ぶ内容に興味がある生徒が国際平均値より低く、TIMSS調査では、数学や理科の勉強を楽しいと思う生徒の割合が国際平均値より低かった。実生活と関連付けた指導の充実を図るなどして、算数・数学や理科を学ぶことの意義や有用性を実感する機会を持たせることが重要である。

○ 算数的活動、数学的活動の楽しさや数学的な見方や考え方のよさを具体的に示すことなどで、算数・数学を学習することの意義を子どもが実感できるようにすることが大切である。また、理科においては、自然に親しむための体験的な活動や観察、実験、ものづくりなどの活動の一層の充実を図り、子どもの興味・関心を高めることが必要である。


ウ 外国語教育の改善

(知識の定着)

○ 教育課程実施状況調査において、英語を理解するための基本的な語彙や構文などが一部定着していないとの結果が示されている。

○ 今後は、発信力が重視されるので、基本的な語、連語及び慣用表現の意味と使い方が分かることなどといった基礎的・基本的な知識を定着させることが必要である。

(技能の定着)

○ 教育課程実施状況調査では、全体として聞くことは良好である。一方、話すことについては、全体として抵抗感はなくなってきているが、英語が使えるというレベルでは必ずしも十分でないのではないか。

○ 簡単な表現を用いて外国語によるコミュニケーションを図れることなど、外国語の習得という観点から、基本的な英語の音声の特徴をとらえ、正しく聞き取り発音することができることなどの技能を確実に定着させる必要がある。

○ また、教育課程実施状況調査では、書くことが良好ではなく、特に内容的にまとまりのある一貫した文章を書く力が十分身に付いていない。このため、文字や符号を識別し、正しく読み、書くことができることを確実に定着させることはもとより、文レベルでなく文章レベルの訓練が必要ではないか。

(理解力・表現力等の育成)

○ 事実関係の伝達、物事についての判断、様々な意見等についてコミュニケーションを図れることが重要であり、コミュニケーションのツールとしての英語を使った発信力が重要である。

○ 例えば、1分間150語程度の速さの標準的な英語を聞き取ることができること、与えられたテーマについて1分間程度のスピーチができること、300語程度の英語を読んで概要をとらえることができること、与えられたテーマについて、短時間で5文程度のまとまりのある英文を書くことができることなど、具体的な到達水準を設定して、理解力・表現力等の育成を進めていくことが考えられるのではないか。

(関心・意欲・態度等)

○ 教育課程実施状況調査においては、英語が大切だ、普段の生活や社会に出て役立つと考えている生徒は、他の教科に比べて多いのに対して、授業がわからなくなる生徒の割合が他の教科より高い傾向にある。

○ 学ぶ意欲を高めるためには、例えば、自分の考え方や文化・生活を相手に伝える言葉としての英語との位置付けを明確にしてはどうか。また、ディベートなどで生徒の問題意識を掘り起こすことが、読んだり書いたりすることの意欲を引き出すことにつながったり、英語は手段だという体験になったりする。

○ 英語の学習に当たっては、世界や我が国の生活や文化についての理解、様々な言語や文化に対する関心、国際社会に生きる日本人としての自覚を養うことが重要である。

(英語以外の外国語教育)

○ 高等学校を中心に外国語教育の中で中国語など英語以外の外国語を開設している学校もある。国際社会に生きる日本人の育成のためには、アジア諸国等とのコミュニケーションを促すという観点から外国語教育の在り方を検討することも必要である。

(小学校段階における英語教育の充実)

○ 国際コミュニケーションの観点から、我が国においてもインターネットの普及などによって英語でコミュニケーションを図る機会は増えるなど英語の必要性はますます高まることが予想されるが、国民の英語運用能力は国際的に見て十分でなく、英語教育の充実が必要である。

○ 最近の子どもたちは、テレビを通じて外国人や異文化に対する抵抗は少ないように思える。映像を活用することにより楽しく学ばせることも考えられる。

○ 例えば英語を聞く力や話す力を高める上で、英語活動を通じて小学校段階の子どもの柔軟な適応力を生かすことが有効ではないか。特に、小学校段階では、聞く力を育てるということが重要ではないか。

○ 国語力や我が国の文化の育成という点に十分留意して検討する必要がある。英語を学ぶことで、異文化理解だけでなく、国語や我が国の文化についてもあわせて理解を深めることができるよう、検討する必要がある。

○ 現在、総合的な学習の時間などを活用した小学校段階の英語活動は約9割の学校で実施されており、例えば第6学年では年間約13単位時間(1単位時間は45分)程度の教育活動が行われているものの、必ずしも十分な成果が上がってないところも見られるのではないか。

○ 構造改革特別区域等において、教科として英語教育を実施している公立小学校も増えつつある。

○ 義務教育に関する意識調査等においても保護者や自治体関係者から充実を求める声が強い。国際的にも、EUにおけるフランスや、中国・韓国など近隣アジア諸国を含めて、国家戦略として、小学校段階における英語教育を実施する国が急速に増加している。

○ このような状況の中で、国としては、義務教育答申で既に提言しているとおり、小学校段階における英語教育を充実する必要がある。

○ このため、外国語専門部会においては、義務教育として教育の機会均等を確保するため、仮にすべての学校で共通に指導するとした場合の指導内容を明らかにするため必要な検討を進めている。これまでの審議状況は次のとおりである。

○ 検討に当たっては、小学校英語を実施するに当たって指摘されている課題、例えば、国語力の育成との関係、中学校・高等学校の英語教育との関係はどう整理するのか、条件整備の面での課題などを念頭において、検討を進めている。

○ これまでの審議では、小学校における英語に関する教育の内容として、

① 小学校段階では、音声やリズムを柔軟に受け止めるのに適していることなどから、音声を中心とした英語のコミュニケーション活動や、外国語指導助手(ALT)を中心とした外国人との交流を通してスキル面を中心に英語力の向上を図ることを重視する考え方(英語のスキルをより重視する考え方)

 ② 小学校段階では、言語や文化に対する関心や意欲を高めるのに適していることなどから、英語や国語を通じて言語や文化に対する理解を深めるとともに、ALTや留学生等の外国人との交流を通して、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、国際理解を深めることを重視する考え方(国際コミュニケーションをより重視する考え方)が示されている。

○ ①の考え方については、例えば、スキル面の高まりはある程度期待できるが、小学生にとっては実際にスキルを活用できる場面は限られていることから、多くの子どもにとって、中学校に入学するまで英語に関する興味・関心を持続することができにくいのではないかといった懸念がある。

○ ②の考え方については、中学校・高等学校における英語教育を視野に入れた英語教育の基盤となる力を養うことができること、グローバル化社会の中で求められる国際コミュニケーション能力の育成や学習意欲の継続、国語力との調和という点では優れているが、コミュニケーションを図ろうとする態度や国際理解は、客観的に測定したり検証したりすることが難しく、その成果が見えにくいという懸念がある。

○ 中学校・高等学校での英語教育を見通したとき、まずは、英語を学ぶための動機付けが重要であることから、②の考え方を基本とすることが考えられる。言語やコミュニケーションに対する理解を深めることは、国語力の育成にも資するのではないかとの意見も示されている。この場合においても、①の側面について、小学生の柔軟な適応力を生かして、聞く力を育てることなどは、教育内容として適当と考えられる。

○ この点については、今後更に検討することが必要であるが、この①と②の考え方のいずれを重視し、どのように組み合わせるかによって、具体的な教育目標や内容が設定されることとなる。

○ 一方、教材、指導者、ICTの利活用方策等の条件整備も重要な課題である。この点については、具体的な教育目標や内容、教育課程上の位置付け(教科とするか、総合的な学習の時間の一環とするかなど)、開始学年、実施時期等とも関連する事項である。

○ これまでのところ、外国語専門部会では、例えば、指導者については、当面は、現職教員に対する研修プログラムを開発・実施する必要があること、ALT、留学生、英語に堪能な地域の人材やICTなどをそれぞれの特性に応じて利活用することが効果的であることなどの意見があり、更に具体的に検討を進める必要がある。

○ これらの課題については、専門的・多角的な検討を要するため、外国語専門部会において、専門家や関係者の意見を聞きながら検討を行っている。外国語専門部会においては、国語力の育成等の課題にも十分配慮しつつ、小学校における英語教育を充実するための具体的な方策について、審議を進めている。外国語専門部会では、本年度中を目途にこの点に関する審議の状況を整理し、教育課程部会に報告することとしている。
by yumemasa | 2006-03-21 07:42 | 新学習指導要領 | Comments(0)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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