企画力って大事だなと思います(その2)

埼玉近代美術館で開催されたこのプロジェクト。田中さん(今は美術館にいますけれど、中学校の美術の先生です。)からいただいたコメントを紹介します。

「今回はこの企画の了解とこの展示に関しては学芸員皆さんの理解と協力があったからこそできました。まさか100mすべて使うとは・・・・と正直驚きです。1000人は超えていたようです。
なお、これは27日に取り外したのですが、昨日、このスケッチ巨大壁画に参加した一般の方が「処分するなら引き取りたい」とみえました。5回くらい来て描かれたそうです。一応、資料としてしばらく保管しますが、その後はこの方に大切にしてもらうつもりです。
これは予期しない結果でした。美術好きが増えることがただただ嬉しいです。」

 田中さんの最後の一言「美術好きが増えることがただただ嬉しいです。」この思いがあってのこの企画だったのだなと実感。
企画力って大事だなと思います(その2)_b0068572_7442516.jpg
このスケッチがこれだけ素敵な理由。それは下のパネルにもその秘密がありそう。これはまるで授業みたいなものです。

*ベン=シャーンの作品を鑑賞する

*ベン=シャーンの絵ってなんでいいんだろうね(線に秘密がありそうだ。パネルで確認)

*じゃ、ベン=シャーン気分で描いてみよう(描いた作品はあとでかっこよく飾るからね)

*描いた作品が展示され、大喜び。なんかかっこいい。美術館の目立つところに飾られちゃった!

*あー、描いてよかった。楽しかった。

*また、やってみたいな。絵でもたまに描いてみようかな。ベン=シャーン以外の人はどんな絵描いているんだろう?
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 うーん、鑑賞と表現が一体となった授業がこれをもとに出来そうです。最後の展示で感動の共有もできるし。アレンジすればいい題材になりそう。しかも非常にシンプルな授業展開で。素描への関心は持つだろうし、素描を楽しむだけではなく、みんなの力が集まると感動があるって実感できる。



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このパネルの構成、素晴らしい色もグレーでシンプル。レイアウトも素敵。もちろん読みがなもついている。このパネルの文。語りかけていますね。

 いろいろな授業を見て「いいな」と思うことがあります。その「いいな」となぜ思ったのか、ちょっと深めて考えてみる。そうすると学ぶべきことが見えてくる。「なぜその授業が必要なのか」「その授業は、やろうと思ったらだれでも実現可能か」そんな視点で、その授業を見つめ直してみる。これは大事なことであり、おもしろいことです。
 その話し合いをみんなでやるとさらにいい。今回の例でいえば1回目の記事でコメントを入れてくれた北海道美唄の岩田さんと授業者である田中さんのコメント。私は司会者って感じかな。
 あー、これ、ブログを使った研究会って感じですね。

なんか、研究会に参加したあとのような気分です。
Commented by tana at 2006-03-31 10:35
山崎さん、ここまで深く見ていただけると本当に嬉しいです。こちらが勉強になります。
このパネルは実はワークシートでA4両面印刷、裏面が、“ちょっと学校でも使ってみるか!?”くらいの線描をやってみるコーナーになっています。
県内の小学校~高校すべてに2~3枚ずつ配布していますが、数校から生徒数分送ってほしいとの連絡をもらいました。前回のベルギー「ゲント美術館展」でも同様に、鑑賞のプロセスを段階的に追いかけ、ヨーロッパ美術の流れが簡単に学習できるワークシートを作りました。おかげさまで多数お送りさせてもらいました。
在庫があるのでもし、「試しに見てみたい、使ってみたい」方にはお送りします。埼玉近美(田中)まで連絡ください。
あ、山崎さん、適切な書き込みでなければ削除してください。
Commented by 土屋 正治 at 2006-03-31 19:03
ロール紙によるスケッチとはいえ,美術館に自分の絵が飾ってあるというのは,なかなか気持ちの良いものでしょうね。名だたる作家たちと同じ空間に,自分の描いたスケッチがあるのですから。今回のようなロール紙では無理としても,たとえば自分のスケッチがピカソの絵の隣に展示してあったりしたら,感動できそうですね。ところで,このロール紙を張ってある高さは,すべて同じだったのでしょうか?小さな子ども向けには,低い位置に張ってあったりしたのでしょうか。でも,小さな子どもだったら,紙からはみ出したりする恐れもありますよね・・・。
埼玉県立近代美術館の田中さん,ワークシートの連絡を差し上げたいと思いますので,よろしくお願いします。
遅ればせながら,研究会に参加しました。
Commented by yumemasa at 2006-03-31 20:07
田中さん、削除だなんてとんでもない。美術情報は大歓迎。こうして書いてくれたことで北海道の土屋さんが有益な情報を得た訳ですから。なんだか、うれしいですよ。こんなことが起こると。うーん、ブログの中の研究会もいいですねえ。もちろん会って話ができるのが一番ですが。ところで田中さんと土屋さんは、年齢が同じくたらいかなあ。ブログでコメント書いてくれた人同士の交流が生まれるのも私は最高にうれしいですね!これも田中さんがやはり誰でも出来ることをしようという考えに立っているからですね。情報はみんなで共有化して、互いに学びあえるのが一番。岩田さん、土屋さん、今回の埼玉で学んだことまだありますので、楽しみにしていてくださいね。
Commented by tana at 2006-03-31 23:42
今日で美術館で長期研修をされたお二人の先生も終わり、来週から学校現場に戻ります。というわけで勿論今夜は打ち上げでした。興味をもって見てくれることこそ一番の喜びです。発信と反応の隙間って意外と微妙ですが、山崎先生が司会(?)としてその間を取り持ったり、受信者の感性も同調できるかどうかですからこのようにコメントを頂けることは喜びでもあります。どうもありがとうございます。
土屋さん、はじめまして!スケッチコーナーはやはり子どもの高さを意識しました。ロール紙の幅は108cm。そこで描ける期間は下端を高さ80cmにしました。低学年でも描けるくらい?だから必然的に子どもと大人がどう参加しているかも見えたりして(!)楽しかったです。また飾る期間も同様にしました。結構子どもの目の高さって重要ですよね。企画展でも学芸員はそのことを考えてくれて展示をしています。山崎さん、ガチャポンの件、また増えましたので送りますね!オリジナルではないですけど笑えます!ちなみに私はS38製造です。
土屋さん、ワークシートは私信でOKです。
m_a_y_tana@muj.biglobe.ne.jp までお待ちしています!これアドレス書いてもいいですか?よろしくお願いします。
Commented by yumemasa at 2006-04-01 00:32
田中さん、土屋さん、楽しいですね。しかもコメントでの補足を読んでいると、新たなことがわかったり。やはり研究会ではたくさんの発言があると、研究もいいものになりますね。田中さんの説明を聞いているうちに、目の前に子どもも大人もいっしょになって絵を描いている姿を想像しました。この姿を見ていたんですね。田中さんは。
ガチャポン、楽しみにしています。ここにアドレス書いてもいいですよ。どーぞ、どーぞ。ブログってこのような使い方が出来るんですね。コメントされた方どうしでも交流できるんですね。なんかわくわくしますねえ。
Commented by somethingt at 2006-04-01 01:23
いいですね~。こうして共鳴しあいながらまた次のステップを考えていく…。そうやって美術教育の輪が広がっていくんですよね。私も昔断念した思いが沸々と復活してきています。近代美術館での実践はそういった意味ではとても力強いです(田中さんの実践は勇気付けられました)。今年度の学校祭辺りでちょっと策を練ってみようかな…。
子どもの目線の高さ、親がちょっとかが見込んで一緒に描く…そして名画との空間の共有…。「参加することの喜び」なんでしょうね。本当に目に浮かんでくるようです(^^)
Commented by yumemasa at 2006-04-01 08:27
岩田さん、コメントありがとう。この記事の価値が高まったのは岩田さん、土屋さんの反応であり、田中さんの補足があったからです。
なお、埼玉から学ぶべきことはたくさん、たくさんありますから、学んだことは広げて行くつもりでいます。これからも楽しみにしていてくださいね。
Commented by tana at 2006-04-02 02:04
岩田さん、田中です。
コメントありがとうございます。親子で壁画の前に立っている姿、良かったです。子どもから大人までそれぞれの感じ方、スタンスで展覧会を楽しみ、知らない人の絵の隣に自分の絵を描く、それが大きな波のように次から次へのうねりを作る、そうしていつしかひとつにつながっていることに気がつく・・・最近この「つながる」ことが結構キーワードになっています。
山崎さんのブログでの「つながり」も貴重な宝になっています。元気が出ますね!嬉しいです。
Commented by 山崎正明 at 2006-04-02 23:05
田中さん、それは、おもしろい。絵と絵がつながるんですね。この前,埼玉でNPOの方が話しておられましたね。こちらの方は別々に描いた絵がつながることで何かを生み出すと話しておられました。この展覧会のスケッチでは刺激を受けながらつながるんですね。岩田さん、ますますおもしろくなってきました。発想が広がってきておもいそいですね。熊本の西尾さんが管理するWEB子ども美術館別館も「手をつなぎましょう」がテーマですから。
それぞれの団体が独自性を発揮しつつ「つながる」これっていいですね。
ところで「つながる」という言葉ですが、私もこれはいろいろな意味でキーワードになっています。ひとつ着目しているのは生徒の学びを教師が有機的につなげることで、学びの質が深まること、しっかり定着するようになっていきますから、そのあたりの研究を深めたいです。存在証明の授業はつながって、つなっがて、つながって、その結果生まれてくるものです。
そして生徒自身の中に「つなげる力」を身につけさせたい。そう考えています。ちょと力んでしましました。
by yumemasa | 2006-03-31 07:44 | 鑑賞教育 | Comments(9)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明
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