何の先入観もなく、抽象作品を楽しめる人に
2006年 05月 20日
「これから意味を持たない絵を描きます。でもね、真剣にやっているとその人の個性がにじみ出てくるんだなあ。」そんな投げかけからはじまります。
「すごく美しい作品をつくってみよう。この小さな紙に。でもまったく自由でも困ると思うので美術でとっても大事にされている「動き」ってことを課題にします。」
というわけで、絵画制作の中では重要な「動静感」それから「構図」そういったことを大事にしていきます。ですが、制作過程の作品鑑賞はあえて「具象絵画」を見せています。そうすることで、本質に迫りたいからです。発想の仕方も意識させます。「アイディアというのは生まれてくるのではなくて、生み出していくという考え方です。脳をどう使うか。」(この言葉は導入時に生徒に対して話しています)ですから、「発想」から「構想」へということをかなり意識して絵をつくりあげていくようにしています。(あえて水平思考から垂直思考へという美術ではそんなに使っていない言葉を使います。これは美術の学習を通して人間の能力を高めたいからです。)
で、導入では、これまで以下のようなプリントを用意していましたが、今回はすべてプレゼンテーションソフトを使って授業を行いました。画家の言葉がきわめて大事なのですが、今回はそれを読まずに私の言葉で説明してみました。その方がわかりやすいですから。プリントを使う方法とは違い、多数の作品を見せることもできます。鑑賞もいま対話型を中心にやっていますが、このような鑑賞の形態もありだと思っています。芸術家自らの言葉を聞く。これも大事にしたい。
なお、このプレゼン方式では、あらかじめ用意していた写真を順番に見せて行くのでややもすると硬さがつきまといますので、「美術資料集(副読本)」も併用します。話が脇にそれたときもとっても便利です。また必要があれば生徒はいつでもその作品を見ることが出来ます。
プレゼンが終わり、20分程さっそくアイディアを描きだしました。生徒は思ったよりすんなりとアイディアを描いています。A4の紙に15のアイディアを描けるようにしています。最初は円や三角、四角ですから、これでいいのかなあと思っている生徒が多いのですが、今回は「はまった」「おもしろい」との声も出てきました。最初からこのパターンは珍しいです。
おそらく、プリントを使用した授業からプレゼンテーション方式に変えたことによるものと思います。そして私も新たな気持ちでやっていますから、私から出ている雰囲気もよいのかもしれません。(慣れたらだめですねえ。ベテランという言葉は気をつけないと)
なお、まったく描かない生徒が一人。まだ彼の気持ちや思いは聞いていません。この授業ではこういった生徒も出てきますが、この関わりがおもしろいのです。理由がいろいろあるんです。教師としても勉強になります。見て描く授業ではないですから、自分で意思を持たないと描けませんから。

プレゼンテーションソフトはappleの「KeyNote」を使いました。
テンプレートもセンスがよいし、使いやすいのが何よりです。
基本的にはトランジションはあまり使っていません。
ポイントで使うだけです。あまり効果を使うと主役がぼけますので。
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☆作品が完成したあと
*追記(2020年12月)
生徒たちが、美術の授業のことを個人ノートに書く気持ちがわかります。
・・・アルテピアッツア美唄は満開の桜だったでしょうか。
午後から出かけられるような地域であることが羨ましい。
私が行ったときに、体育館の裏で『こんな所にも作品が・・・』と
思ったら、ぽっかりと芝生にあった残雪。
とても自然な形態が共通点なのだなあと感じました。
校舎内の階段を降りたところの空間も素敵でした。
写真も雰囲気バッチリですね!
ところで、アルテピアッツアの「こんなところにも作品が…」の話おもしろいですね。なるほどなあ。
安田さんの作品は自然というか、生命というかそんなことを感じさせますね。
彼の作品をイタリアの空間の中で実際に見てみたい、そう思いました。
ところで、この作品の指導をしていて、生徒が完成に向けて作品を見直しているとき、私と生徒で作品のどこを、かき込んでいったらよいか、をいっしょに考えます。つまり全体の調和を考えるんです。
生徒も私も作品から離れて見て(引いてみて)考えるんです。先に生徒に答えてもらってから、あとで私の感じたことを言うのですが、これがほとんど一致するのです。
これは、とても、おもしろいです。抽象形を見ながらも同じような答えを出すのですから。人間って不思議だなとも思ったりします。
私は美術に関しては超ど素人なので、抽象画は美術館で見ては「うーん」と悩んでしまいますが、沢山の気持ちと時間とアイデアが詰まっているんだと勉強になりました。
ニュースで北海道の気温を聞いて、「北海道もだんだん暖かくなってきたなー」と思った今日この頃です。
あと、もしウズラが自分の保育所を始めたら、月1回でもいいから美術の先生で来て欲しいです!親も子も美術に親しむチャンスを提供して下さい!
鳥のさえずりを聴いて、心地よいとそのまま受け入れますよね。いやー、あの鳥なんて鳴いているのか意味がわからないとか理解できないとか思いませんよね。抽象美術もそうなんです。そのまま受け入れてください。そうだなあ、花を見るような感じで。いや、好きな服を選ぶ感じで。
私だって「?」って思う作品ありますよ、ピンと来ないというか。たくさん作品を見て一点でもなんかいいなと思えたら素敵だと思いませんか?
難しく考えると損。損。
ところで、今日は今年はじめてTシャツ一枚で過ごしました。
今の学校の体制は確認していませんけど。そのうち勝手に授業研究会でもやろうと思っています。うーん、いつになるかはわからなけれど。その時ならOKですよ。でも研究会だと、ただせっかく来て頂いて授業後お話が出来ないのがねえ。普段の授業がいいかな。
それは、さておき、保育所をはじめるなんてこと考えているんですか?すごい。授業に行けるかどうかは別として、保育のサポートなら出来ますよ。というか共に考えていくという感じで。幼稚園の先生と授業(設定保育)を考えたこともあってものすごく楽しかった。機会があれば、またやりたいなあ。まあ、保育園なら環境の提供とか言葉かけのことなどが大事になってるでしょうね。
私のブログを読んでくださっている方が、先生のブログと出会い、クリック募金を日課にされていると伺って、とても嬉しい私です。私もクリックしていきたいと思います。
その大西さんのコメント、うれしいです。生徒に大西さんの言葉を伝えたいと思います。
この授業、今ちょうど生徒がとなどいながら描きはじめているところです。作品が生み出されていく過程を見ることができる私は幸せなのでしょうね。まさに「創造」ですから。
今回は私が元気をいただきまいした!
それからブログの読者の輪が広がってくるって、うれしいですね。
hayakaさんのブログも親も教師もいろいろ考えなければならないことがたくさん書かれている大変貴重なものです。これからも互いに交流を深めましょう。
教員採用試験対策にネット検索していて辿り着きました
なかなか実践を知る機会がないので
とても興味深く読ましていただきました
去年は高校で美術を教えていたのですが
中学生の作品のレベルの高さにおどろきました
基本を大事にされてるからなのでしょうかね
作家の言葉を参考にして資料など私から見ても
とても興味深いです。
抽象表現は、生徒は苦しみます。簡単にはできないのですが、まさに中学生ならではという感じがします。高校生ならもっとすごいかもしれませんが…。
この授業は作品の質の高さをねらったというよりも、フルに脳みそを使ってもらうということでやっています。
つまり発想の方法を学ぶわけです。
実は美術では発想・構想の能力という言葉が使われていますが、時間数が少ないため、意外とこの指導が弱い実践が多いような気がします。なお、美術家の言葉は私のHP「豊かな美術教育を」からダウンロードできるようにしています。よろしければご活用ください。
これは、教師として一人よがりや思いつきにならぬよう、自分でバランス感覚を保つ為にも役に立つと思います。
どうぞ、これからもいらしてください。














