「造形表現・図画工作・美術教育研究全国大会」 |
研究テーマは「とどけ ひろしまからのメッセージー感じる心を輝かせる造形教育ー」です。
1949年大阪市で開催されたのがはじまりです。開催地は西日本であるため、北海道にいる私は全く知りませんでした。知らない世界に触れた感じで、わくわくします。大会日程を見ると1日目に基調提案やシンポジウム・講演があります。一日目は研究の理念について考える日になっているようです。二日目は、「では実際は?」とういことで公開授業および研究協議となっているのでしょうか。非常に解りやすい流れだと思いました。できるならば、この一部でもネットで公開していただければなあと勝手に思っています。参加した方や紀要を手にした方にしかわからないというのはもったいないです。

さて、この紀要(A4版200ページ)の中から一部転載させていただきます。
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花篤 實氏(日本教育美術連盟理事長)の「あいさつ」より
「(前略)第二次世界大戦後、戦禍で荒廃した子どもたちの心の立て直しと世界平和の恒久化願って、「美術による教育イコール平和を求める心の教育」と世界に向かって発信し、啓蒙した H,リードの理想をあらためて思い起こすものであります。
近来は美術の教育や概念や理念も拡大し多様化されてきて、こうした戦後理念もともするば忘却されがちです。
IT社会の到来で、美術教育においても過剰な情報の中で表層化が進み、思考を失い、紋切り型の方法や教材の安易な仕込みが巾をきかせるようになってきました。もちろん「方や様式から入って本質に至る」というのは芸道に見られる我が国の文化継承や教育の重要な要素でもあり、その方法は十分に評価されねばならないとしても、「何のために」という基本理念を絶えず立ち返ることのできる習練は欠かすことの出来ないものに思います。教材や指導法の習熟、交流、情報の提供の場として今まで評価され、受けいられ発展してきたこの大会ですが、その背後にある理念や意味性をも語り合う、確かめ合う場としての機能をも、今一度、戦後この大会の一つの原点として広島で確認していただければと願ってやみません。(後略)」
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(山崎感想)教育については、やはり実際的なことからややもすると方法論ばかりに目が向いてしまいがちです。それが美術教育でなくても、例えば学校行事のあり方についても言えることです。そこでしっかりと確かめなければならないのが「何のために」という「目的」です。そして当たり前のこと「誰のために」ということです。
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