その子の今に大切なもの
2006年 12月 16日
この特集の巻頭の言葉、共感します!そして幼児教育の実践例が豊富に紹介されています。
常々美術教育を携わる方は、やはり幼児の造形活動について十分に理解をしておく必要があると実感していましたから、この56号の果たす意味は大きいと感じます。「やった!」と思える特集です。次期指導要領では幼稚園教育との関連性も重視されるようですし。
造形教育では「その子が今ここに生きているからこその表現」こそ大切にされなければならないと思っています。子どもに限ったことではありませんが…。
さて、「巻頭言」から一部を紹介させていただきます。
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子どもは「準備の期間」ではないと言われています。
それは、その子が、それぞれの今を生きている時間であると言えます。
(中略)
造形・美術教育においても、子どもの表現は大人の表現に比べ、とにかく劣っているとか、発達の途上にあるものとして理解され、大人はそのような子どもたちの表現を指導・発展させるべきであるという考えが根強く残っているようです。
誰のためでもなく、ひたすら自分自身をつくる幼児の造形表現はあるという認識は極めて重要ではないでしょうか。
教師や保育者の「指導」によって、意図する方向へ子どもを引き回すのではなく、子ども自身の発想を出発点に、彼らのもつ能動性を支援し、一緒に楽しむこと、これが教育的造形活動の中心ではないでしょうか。
自分の発想を受け入れ、自発性を支え、ともに楽しんでくれる人のいる環境の中でこそ、子どもはその本来持っている力を発揮でき、またそのような環境の中でこそ教師や保育者、友達など他者への信頼感を持つことができます。そして、自分は人から受け入れられ支えられる、それなりの意味のある存在なのだという感覚を得ることができます。
(後略)
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☆美育文化
《関連記事》
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《関連サイト》
☆ 北海道では苫小牧エンゼル幼稚園の教育実践が紹介されています。
そして幼稚園・保育園の数々実践もとても興味深いものですね。
実はこの冊子の最後の方の「コンピュータナウ」で、私もちょっとだけ実践を書かせてもらっています。依頼があり、美育文化では初めての執筆ですが、冊子全体から見ると、お粗末な内容だと自省しています。
もちろんsaibikanさんの書いた文章も担当の先生に読んでいただきます。
こういった日常的な内容も大事にされないといけないと思うのです。
コンピュータナウ・・・そういえば、私も書いたような・・・。確か去年の5月号あたりだったかな~?
そういう意味では参考作品なんてものもその扱いに難しさがありますね。
美育文化のこの文章は本当に大事な事が書いてあります。青木さんもいろんな場で活躍していますね!全国大会の紀要読ませていただきました。もったいないなあ、あのスペースでは。研究紀要とネットのリンクは大事かなあ。兵庫の福本先生のラスメニーナスは、そういう意味で素晴らしい提案だと思っています。
ネットの力を生かそうとしている青木さんがいらっしゃるのは心強いです!