造形活動の本質を考える(是非ご覧いただきたいサイト千里敬愛幼稚園)

 先日「教育美術展」で作品の審査に参加したときのことです。(本来は幼稚園児の作品には賞をあたえる審査はやらないほうがよいと思っていますが…)幼稚園の作品を見ながら、その中で、残念ながら先生に描かされている作品がけっこうありました。
 中には年中さんの作品でクレヨンで縁取りをし、そこからはみ出さないようにていねいに肌色を塗らされているものもありました。顔が四つ切り画用紙に大きく描かれていましたから、子どもはたいへんな作業を強いられたことになります。
 絵の具だけで描いて素晴らしいものもありました。これは先生の指導入り過ぎではないかという疑問の声がありましたが、誤解です。線の太さ、線のかすれぐあい、筆の勢いから判断したらある程度わかることです。

造形活動の本質を考える(是非ご覧いただきたいサイト千里敬愛幼稚園)_b0068572_4335863.jpg  さて、では、どんな指導がよいのでしょう?

実はぜひ、ご覧頂きたいサイトがあります。「 千里敬愛幼稚園」です。
幼児の今を大事にその力を十分発揮出させれば、こんなに描くのだなあということがご理解いただけるでしょう。しかし、千里敬愛幼稚園は、素晴らしい作品を描かせることを目指しているわけではありません。そこがとてもとても大事なことなのです。

千里敬愛幼稚園の「保育者への質問の「造形」の部分をクリックしてください。

千里敬愛幼稚園の「ギャラリー

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自由にしても描けますよ

《関連サイト》

KID' S ART LABO←保育士の方には是非読んでいただきたいです。もちろん他校種の方々にも強くお勧め。

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Commented by すーぱーばーど at 2006-12-30 08:19 x
そうですね。まず保育園に行くと保母さんに
この人たち僕なんかよりよっぽどアーティストだと
思うほどものつくりをしていますね。
その使命感たら。。。
子供が書いたの?描いたの?作ったの?
そして全国なんたらか~コンテスト金賞・入賞が
たくさん壁に貼ってあります。
親を意識し見せるため作業が多すぎるのかな。
たいへんなんだろな~。

yumemasaさんのところにお邪魔できてから
いろいろ考えることいや、やらなくてはと思うことが
少しは見えてきたかな。そんな感じで今年の良き出会いでした。
来年はもう少し行動に移せればと思います。
後2006年はもう僅かですね。
よい年をお迎えください。

Commented by yumemasa at 2006-12-30 09:07
出町さん、粘土を通して様々な方に、その喜びを伝えている姿、共感しています。だから「泥声人語」のワークショップの写真は制作している方の表情が映し出されているのですね。
私もこの出会いがうれしいです。近くに住んでいたら、お会いしていただろうなあなんて思います。これからもどうぞよろしくお願いします。
Commented at 2006-12-31 08:31
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by yumemasa at 2006-12-31 10:21
YODAさん、ざざざんねん(涙)。こんな素晴らしいお誘いだというのに、よりによって来月は11、12、13日だけ予定が入ってました。くやしーい。でも、こうしてお誘いいただき、うれしいです。
Commented by kouk10 at 2006-12-31 11:56
山崎さん、ご無沙汰しています。今年は静岡でお会いできてとても嬉しかったです。千里敬愛幼稚園でに加えて、他園でも描画鑑賞ツアーを行いました。1クール1時間一日3~4クール、それで2日間やりますが、結構疲れます。それでも、その意義はとても大きく、自分自身、一年でもっとも手応えを感じられるひとときです。また、ビデオを編集しておきます。
良いお年を!
Commented by 山崎正明 at 2006-12-31 12:07 x
大橋さん、一年でもっとも充実した時間が研究会とかじゃなく、描画ツアーというところが、やっぱり大橋さんだなって思いました。
ところで描画ツアーを多くの教師に見せたいなあ。もう研究発表とかじゃなく、ビデオ見て、どう思う?って聞いた方がいいかも。
で、小学校も中学校の教師もその延長上にそれぞれの教育があるってこと、そこを考えたら、素晴らしい研究になるだろうなあ。
とにかく美術教育の本質を追究するなら幼児教育のことを知らないといけないなと増々思う山崎でした。

Commented by kouk10 at 2007-01-01 02:03
ビデオを撮った参加者からビデオのDVDはもらってありますよ。
自分ではなかなかふりかえってみるのは怖いのです。なにしろ、編集なしの、しかもそのときそのときの出たとこ勝負の発言の積み重ねですからね。言葉や内容の吟味もありません。
でも、そこが僕にとっても大変な緊張感をもたらしてくれるんです。
一種のライブの感覚だと思います。
こういうことは、本当は指導者自身がやらなければと思うし、できるようにならなきゃ!って思います。
それは小学校でも中学校でも同じで、文科省の奥村先生もやっておられるように、子どもの絵の前で語り、伝えられる教師になりたいモノですね。
Commented by 山崎正明 at 2007-01-01 02:55 x
DVDすごく見たいです。大橋さんのいわれるように今度は指導者自身が出来るようになるといいですね。ホント。
子どもの絵の前で語るってのは、子どもの心や頭の中で何がおきているのかを知ることでもありますよね。これは私の今年のテーマですが、この見方を多くの教師とともにもっとしっかり出来るようになりたいと思っています。
 子どもの絵やその時の行為を通して子どもを語ることが大事なことですが、いまだに「こう指導したら、こういう作品が出来ました」って子どもを語らず、作品のできばえを語ることが多いと感じています。
大橋さんと出会い、奥村さんのお話を伺い、共感することの何と多いことか!
大橋さん、描画ツアーは画期的な取り組みです。語られる内容、想像できます。ヒューマンなんだろうと思います。
先日気乗りっしなかったのですが、子どもの絵の審査をしました。そこでこのままではいけないと思ったわけです。あー、この場で大橋さんもいてくれたらいいのになあと思ってしまいました。

幼稚園の先生にKIDS ART LABOを見るようにすすめておきました。
Commented by kouk10 at 2007-01-03 21:44
大橋です。ありがとうございます。
なかなか、人に見せるほどの自信はありませんが、一度整理してまとめてみようと思っています。そのときは、真っ先に山崎さんのところに送りますね。
Commented by yumemasa at 2007-01-03 22:42
大橋さん、それは是非見たいです。本当はそういうものが学会で発表されたらいいのになあと思っています。幼児の絵を知らない人には(理屈ではわかっていても、私も含めて)ものすごく勉強になるはずです。
楽しみにしています。…と書いたものの大橋さんそんな時間あるのかなあ。いや、この仕事は価値ある仕事であると確信しています。
by yumemasa | 2006-12-29 03:40 | 子どもの表現 | Comments(10)

「美術教育」や「自然」に関するブログ。人々がより幸せになるための美術教育について考え、行動します。北海道北広島市在住。中学校教諭32年、大学で幼児教育・初等教育担当8年。現在、時間講師。


by 山崎正明