免許外の先生との連携
2007年 02月 27日
北海道では免許外で美術を教えているという事例が多く、昨年伊達市の図工美術の研究会にいきましたら、伊達市内5校のうち、免許を持っておられる先生は一人ということでした。
美術教育を充実させることで、子どもの学びをより豊かにしていくためにも、免許外の先生へのサポートも考えなくてはいかないことです。
県によっては、そのような方々を対象とした研修会を持っているところもあります。
さて、先に紹介させていただいた先生に。ふと、この授業だったらやりやすいかなと思って「 感情を表に出す」お知らせしたところ、以下のようなご返事がありました。(本人のご了解を得られたので、その一部を紹介させていただきます)
早速「感情を表に出す」を読ませてもらいました。楽しい だけじゃなく考える、自分の気持ちを色で表す、ことができるんですね。参考にさせてもらいます。生徒が作品の解説をするのはいいことですよね。自分の印象と、彼らの意図が違っていたり合っていたり、読みながら作品を見ているときが個人的に楽しい時間です。
また、今年は年間指導計画を自分で立ててみようかと思っています。専門の音楽は使い勝手の良いもので自分が便利につかえる?ようなものになっているのですが、恥ずかしながら美術は日文のCDROMを切ったり貼ったりしたもので・・・。
先生の年間指導計画はどんなものですか?美術はほかの教科と比べてもかなり特殊な感じがします。抽象的というか。
2008年の研究大会、ぜひ、行きたいと考えています。もちろん同じ街の音楽の先生を誘って。今回の山崎先生からの授業やメールの内容も音楽専門委員会で会ったときに話題にさせてもらいます。
ではまた、先生の授業のHPは内容や生徒の作品、これからの課題など知りたい、見たいところが書かれていて そこが等身大で免許外で担当している私たちにもわかりやすく、魅力的です。
(返信では、以下のようなことを書かせていただきました。)
メール、正直言ってものすごくうれしかったですよ!
一番うれしかたのは「等身大」というところです。自分が心がけてきたことなんです。
だから使う言葉もできるだけ、わかりやすく。美術ってどうもわかんないなんて言われないようにしないと…。もちろん専門でありますから、それなりのものは必要ですが…
年間指導計画は3月中に完成させなくちゃ!(今のは大幅リニューアル)3月中旬くらいまでにつくります。忘れた頃にメールをいただければデータを送ります
日文のCDロムいいじゃないですか!!
美術教師は工夫するのはいいのだけれど我流になりやすいという部分があります。「恥ずかしながら」じゃないです。あれは全国の美術教師の英知の結晶ですから、あれよりよいものをつくろうとするのは、それなりの確かな考え方が必要だと思っています。
ただ、時間数、教材費や子どもの実態など様々な条件がありますから、参考であることには違いありません。
逆にもう一度私も原点に戻ってみようかなあ。
石狩の研究はNさんのような立場の方を意識しています。これまで、こんな研究会がなかったんです。免許外の先生に役立てるよう頑張ります。実はそのことに取り組むということは美術教育の本質の迫るということになりますから、私たち美術教師にとってものすごく勉強になるはずなんです。
結局は自分たちのためにも最良の研究になるでしょう。
なお(生徒の作品の意図を読みとることを)「個人的に楽しい」ということでしたが、教師としての大事な仕事です。Nさんの感覚、私は好きです
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(山崎の考えていること)
免許外の先生による美術の指導は全国でおよそ30%(日本美術教育学会による調査結果)とも言われています。本質的には教育条件整備の問題であり、教育の機会均等を考えると免許外の先生が教えるということは望ましいことではありません。
しかし、日本全体の美術教育の充実のためには、ここにもどうしても着手しなければならないと思っています。美術教育研究団体としてやらなければならない仕事のひとつであってほしい。
さて、では免許外の先生は十分な指導ができないかというと、そうは思っていません。少なくとも義務教育の範疇であれば。
事実、私と同じ学校で美術を教えていた英語の先生が、私よりよい授業をしていたという事実があります。
☆ 経験者の落とし穴
今後N先生との連携を大事にしていきたいと思っています。おそらく共同研究になっていくでしょう。そして免許外で教えている先生を意識しての石狩の研究にやりがいを感じています。
なお、私がこれまで免許外で指導してきた教科は数学・社会・保健体育・技術家庭です。技術科は別として、他の教科の場合は、必ず同じ学校に相談できる教師がいました。美術や音楽にはそれができないことの方が多いのです。