「がんばれ!図工の時間」の報告
2007年 03月 25日
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都図研は、子どもの表現のすばらしさと大切さを、この場に来る皆さんに伝えたいと思い参加しました。
図工の先生方には「科学技術」という言葉に、アレルギーをみせるかたも多くいると考えられましたが(私自身もそうですが)、むしろ、そのような場でこそ、実際の図工や子どものありかたを伝えることに意義があると考えました。
図工をとりまく世界に背を向けていては、何も始まらないでしょう。
私どもの参加を批判する方は、世界に向かってどのような発信をなさっているのか知りたいものですね。
ところで、今回の私たちの眼目は、子どもの作品展示でした。
都図研研究局の皆さんのお力をかりて、工学部の中庭を子どもの息づく空間に変身させること。それは、東京大学の歴史の中で、かつてない空間を出現させることでした。
学期末のたいへん忙しい中、休日返上で、研究局の皆さんに動いていただき、これまでの研究成果を発表していただきました。朝早くから作業に取り掛かり、昼過ぎに展示が完成しました。
そして、そこには、実にすてきな空間ができあがりました。
自分たちでも設営しながら、わくわくするような気持ちになりました。おそらく参加された方たちやこのイベントを主催された方たちにもそれは、伝わったのではないか思われます。
鈴木太朗先生の写真が下記のサイトでご覧になれます。
http://homepage.mac.com/suzukitaro1/PhotoAlbum74.html
私の講演は、日ごろおこなっている授業実践をスライドで見ていただきながら、子どもの実際の表現活動をとおして、その様子や意味、意義を解説しました。
さらに、それらに付随して、図工の現況、歴史などをおりまぜながら、図工の時間の大切さ、時間数の確保、教員の養成などの問題を主張いたしました。
果たして、それがうまく伝わってかどうか・・・・とても気になるところです。
どなたか、参加された方の客観的な目でレポートしていただけるとうれしいですね。
すくなくとも、日々の授業のなかで、子どもに触れているのは、私たちであり、私たち自身にしかわからない図工の実情のあるがままに伝えることを心がけました。
私たちは、さまざまな場を通じて、子どもの表現のすばらしさを、さまざまな方に伝えていかなければならないと、この参加を通じていっそう痛感しました。また、そのためには、授業そのものを充実したものにしていかなければならでしょう。
また、すこし気がかりだったのは、300名近い参加者の中で図工、美術関係者の割合が少なかったことです。
私たちが自閉した空間に閉じこもっていては、この先の図工、美術の未来はないでしょう。
鈴石先生がレポートで述べているように「請負人から仕掛け人としての上昇思考」がいま必要なものだと考えられます。
都図研会長 辻政博
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