
このブログでも何度もとりあげている「レッジョ・エミリアの教育」。著者は9年前に在日イタリア人やイタリア人とのハーフの子供を教えるGGDAを創設。ここでレッジョ・エミリアの教育を取り入れていて、その記録。日頃、具体的に、どのような教育をすすめているか、時にはよく見かける日本の幼児教育とも対比させながら書いているため、とてもわかりやすいものになっています。
レッジョ・エミリアを創設したローリス・マラグッチの言葉を随所に紹介しているのも、思考が整理されます。テキスト中心なのが、おしまれるけれども、そのかわり
エピソード記録をもとにした分析が充実しています。
さて、この本を読み、序章を読んでいるうちに、なぜか「しまった!」と思いました。それは、中学校教員の時に読んでいれば、もっと確信を持って教育実践を進めたかもしれないということです。(でも発刊されたのは2017年11月。)特に「共同性」の部分。この部分はもちろん理解はしていましたが。当時、レッジョエミリアに注目していた視点は「共同性」よりも、やはり造形的な活動や創造性などの部分でした。
すべての教育にかかわる人にオススメしたい本です。ふと、自分が見せていただいた「感銘を受けた授業」と重なります。
「対話による美術鑑賞」「哲学対話」などをすすめている人には、その価値を理解しやすいと思います。
なお、レッジョ・エミリアの教育は「多重知能理論」も踏まえています。