
教師になって、「教室は間違うところだ」という詩を知りました。確かにいい詩だけれど、理想ではないかなあと思っていました。何度か「数学」を教えたのですが、この詩の考え方を取り入れたことで、授業は俄然おもしろくなりました。子どもが活き活きしてきたのです。教師に指導観がいかに大事かを学びました。そして「教師が変われば生徒も変わる」ということも実感しました。
最近の効率的で成果をすぐに出さないとならないこんなときだから、広く知られた方がいい、そう思います。
来春からはじまる学力テスト、親・世間・教師・子どもの学力観を狭めはしないだろうか、マスコミはどう報じるだろう?
何のために、学ぶのか、シンプルに言えば、自分が人が幸せになっていくためだと思います。
そして、その学びの中で得るものの大きさ。
「教室はまちがうところだ」 (蒔田 晋治)の詩からその一部を紹介します。
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教室は間違うところだ。みんな、どしどし手を上げて。
まちがった意見を言おうじゃないか.まちがった答えを言おうじゃないか
間違ったことを恐れちゃいけない。間違った者を笑っちゃいけない。
間違った意見を、間違った答えを、ああじゃないか、こうじゃないか
とみんなで出し合い、言い合う中でだ、本当のものを見つけていくのだ。
そうして、みんなで伸びていくのだ。
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「教室はまちがうところだ」蒔田 晋治 (著), 長谷川 知子 (絵)
↑この詩の全文は本を購入されて。このような本は是非売れてほしい。
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このような考え方はもちろん「美術」の時間でも同じです。入学してきた頃の子ども達の中には自分の絵を隠して描く子がいるんです。そんな子どもの気持ちを大事にしながら授業をしないと。授業を進めていくうちにいつしかそんな姿は見えなくなります。
全員の作品を飾る場合は「作品掲示拒否権」も与えています。この拒否権はほとんど行使されませんが、拒否しようかなと思っている生徒と話をするんです。子どもの気持ちがわかってとても勉強になります。